社団法人 日本写真学会
会長 阿部隆夫
ハロゲン化銀の結晶を感光材料の主体とする写真は1839年にフランスで始まったと言われています。Daguerreは、ヨウ素蒸気を用いて作った銀板上のヨウ化銀層に撮影画像を作り、これを水銀蒸気で現像し、未露光部分をチオ硫酸ナトリウムの水溶液で洗いさることにより写真画像を得ました。その後、20世紀のごく初めに現像主薬の酸化体を利用することによりカラー写真の基礎が発明され、現在のカラー写真につながってきました。
この技術の発展過程にあって、写真感光材料に関係する企業および教育研究機関の人たちは、1926年(大正15年)に日本写真学会を創立し、技術の共有化・蓄積・継承に努めるとともに、切磋琢磨してより優れた技術の創出を目指してきました。1979年(昭和54年)年には、当時の文部省と折衝を重ねた結果、社団法人となることが認められ、現在に至っています。
今日、写真の技術は、電子の目と高速・高容量メモリーの組み合わせからなる新しい技術の台頭の結果、ハロゲン化銀を感光材料とする写真(銀塩写真)からいわゆるデジカメ写真へ大きく転換しました。私たち(社)日本写真学会は、急変する周辺の状況を正面から受け止め、新しい写真の領域の開拓に向けて先陣を切っていけるように、さまざまな専門性を有する人材を求め、研究会等の活動形態を柔軟に見直しているところです。旧来の「写真」に限ることなく、「写真のように見えるもの」をすべて研究対象として採り上げ、撮像、創出、表現、保存、修復、計測等への応用など、幅広い領域をカバーしたいと考えています。積極的に、新しい写真技術の領域へ踏み出していくつもりです。私たちは、技術だけに限ることなく、私たちの印象につながる感性的な分野まで踏み込んで、写真というものを柔軟にとらえ、「新しい写真」の概念の下で活動していきます。
本会は、年次大会と各種の研究会・セミナーの開催、学会誌の発行などの活動を基軸にして、公益性を常に考え、社会の皆様のお役に立てるように努力しています。
(社)日本写真学会は、写真(画像)に関する科学・技術に関係している人たち、写真をクリエートする人たち、写真を利用する人たち、写真の応用を思考中の人たちを幅広く求めています。