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イベント詳細(日本写真学会)

日本写真学会90周年にあたり 会長あいさつ

[開催日時]
2016年2月26日

[開催場所]
日本写真学会

[主催/問い合わせ先]
日本写真学会事務局

折々の会長のことばから写真の今を考える

  小林裕幸(日本写真学会会長)
 日本写真学会の創立は1926年ですので、本年の2月26日をもって
創立90年を迎えました。これを機に、ここ何十年かの記念に際し、
当時の会長がどのような問題を提議提案したかを顧み、今の写真、
そして写真学会の役割を考えてみたいと思います。
 創立50周年に当たって笹井明会長は写真の将来を資源問題、環境
問題、写真性能問題などの面から見直そうと提案しています。銀塩
写真のことしか念頭にない時代であったことがうかがわれます。
 1981年にスチルビデオカメラ・ソニーマビカが発表された後の60
周年記念に若林康夫会長は、電子カメラは即時性、乾式処理などで
銀塩写真が及ばない特徴をもっており、広く映像の科学・技術の討
論の場として写真産業をリードしてゆく学会へ進化すべきと、技術
の流れを見越した提言を行なっています。
 1995年にカシオQV-10が世に出て、いよいよデジタルカメラが身
近になった70周年の大石恭史会長は、銀塩写真は高精細の標準とし
て他の画像技術の挑戦の目標とされているとし、「ファインイメー
ジングの日本写真学会」を提案しました。この言葉には当分は銀塩
写真に追いつけまいという自負が感じられます。
 1999年にニコンD1、2001年にキヤノンEOS 1Dが発売され、プロも
仕事にデジタルカメラを使うようになってやっと、80周年の阿部隆
夫会長は、物理プロセスを中心とした写真世代が始まったと述べ、
電子世代の若者たちが入りやすい体質の学会となるよう提案してい
ます。
 そして、この十年、画素数が5千万を超え、感度もISO数万に匹敵
するデジタル写真が銀塩写真の役割を十二分にこなせるようになり
ました。今こそ、「銀塩写真は標準」の意味が重要となっていると
思います。デジタルカメラの絵作りといった演出や、CG表現におい
て拠りどころとしているものは、銀塩写真の時代に私たちの記憶に
蓄積された「好ましい画像」であり、その標準づくりに携わってき
た写真学会は、今こそキーとなる役割を果たせる時なのです。大い
にその力を発揮しましょう。
  (2016年2月)
**pdfファイルを掲載しています。