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ギャラリー詳細

写真のある美術館・博物館・資料館-4 清里フォトアートミュージアム

 

清里フォトアートミュージアム

■館の紹介
 清里フォトアートミュージアム(以下K・MoPA)は,八ヶ岳の南麓に位置する清里高原の澄んだ大気と深い緑に包まれた写真美術館です.写真芸術を通して情報と感動を発信する場として,また清里と世界を結ぶ拠点となることを願って造られました.1995年7月の開館以来,年3回の企画展を中心に活動を続けています.プラチナ・プリントなど,写真技法のワークショップをはじめ,地域の学校での写真教室,館内の天文台を利用した星を見る会,また,当館の建築空間に触発された地域の造形作家の彫刻を展示するなど,写真にとどまらず,開拓の地・清里ならではのコミュニティとスピリットを大切にした活動をしています.

■館と写真とのつながり
 K・MoPAは,三つの基本理念に基づき,収集・展示活動を行っています.

1.生命(いのち)あるものへの共感
 表現のジャンルや技法の種類にかかわりなく,生命を慈しむすべての作品に大きく門戸を開き,1900年以降の国内外の作品(プラチナ・プリント技法による作品を除く)を収集しています.毎年収蔵している「ヤング・ポートフォリオ」作品を含め,現在までの収蔵作品は約8,000枚となりました.

2.永遠のプラチナ・プリント
 プラチナ・プリントとは,文字どおりプラチナを利用した,古典技法として現代に残っている数少ない技法のひとつです.銀塩の代わりに鉄塩の感光性を利用し,塩化白金と鉄塩の感光液を塗布して印画紙を作ります.その印画紙をネガと密着させ,紫外線で露光するもので,白から漆黒までの階調の幅が広く,微妙なグラデーションを再現できます.優美な色調,優れた保存性,そして歴史の試練に耐え,比類ない表現技術を持つプラチナ・プリントの継承・発展をはかるため,19世紀の誕生時から現代までの作品を収集・展示し,そしてワークショップを定期的に行っています.

3.若い力の写真:ヤング・ポートフォリオ
 ヤング・ポートフォリオ(以下YP)は,当館が毎年行っている重要な活動です.35 歳以下を対象に公募を行い,選考ののち,優れた作品を当館のパーマネント・コレクションとして購入するものです.この募集は賞を与える一回限りのコンテストではなく,未だ評価の定まっていない作家たちによる,表現意欲の高い作品を継続して購入することによって,若い作家に勇気を与え,支援し,励まして行きたいと考えるものです.
 YPには,毎年30を超える国々から約7,000枚の応募があり,1995年の開館から2010年までに作品を収蔵した作家の総数は651名,作品の総枚数は4,595枚となりました.
著者:清里フォトアートミュージアム 主任学芸員・山地裕子

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