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ギャラリー詳細

「画像からくり」第17回 ホログラムメガネ,回折格子メガネ 桑山哲郎 氏

 

Fig.4計算機ホログラム(位相型格子)のメガネ

Fig.4が,身近な場所に現れたキノフォームである.商品名は「ドラえもんドラちゃんがいっぱい!」で,私は2002年の夏,コンビニエンスストアの花火のコーナーで最初に出会った.写真では台紙の上に,手に持つ側を手前にしてメガネを置いている.厚紙には上下32mm,左右40 mmの薄い板が貼り付けられ,のぞき窓に対応した部分には上下左右20mmの板が貼り付けられている.小さな方の板はキノフォームで,約1mmの正方形の繰り返しパターンが見える.キノフォームの長所として,特定の方向に回折光を集めることができることがあげられる.あるピッチの格子があったとして,プラス1次回折光にエネルギーを集中し,0次回折光(直進光),マイナス1次回折光や他の次数の回折光にほとんどエネルギーが配分されない.こういう説明をすると面倒なようだが,要するに「かなり自由に光のパターンを描くことができる」回折格子である.使用例は台紙に示されている.夜,街路灯を見るとライトがすべて「ドラえもん」の顔になる.そして花火の光る粒,夜道路を走る自動車のヘッドライトがすべてドラえもんの顔となって動き回る.このキノフォームのメガネでは,「ハローキティ」,「アンパンマン」(どちらも商品名)など人気キャラクターが続々と登場し,毎年花火売り場を賑わせている.
以上、ホログラムメガネ,回折格子メガネを取り上げた.実物を手にした体験が,言葉ではほとんど伝えられないことが残念である.比較的低価格の商品なので,機会があればぜひ購入されることをおすすめする.
引 用 文 献
1) US Patent 5,546,198, van der Gracht, “Generation of selectivevisual effects”, Filed Sep. 30, 1994, Patented Aug. 13, 1996.
2) 武田光夫,谷田貝豊彦,“計算機ホログラムとキノフォーム”,応用物理,41, 1039–1046 (1972).
3) B. R. Brown and A. W. Lohmann, “Complex spatial filtering with binary masks”, Appl. Opt. 5, 967–969 (1966).
4) L. B. Lesem, P. M. Hirsch and J. A. Jordan, “The Kinoform: A new wavefront reconstruction device”, IBM J. Res. Develop, 13, 150–155 (1969).
著者:桑山哲郎 氏

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