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ギャラリー詳細

「画像からくり」第18回 粒子の移動を用いた描画器具 桑山哲郎 氏

 

Fig 1 「2カラーせんせい」(商品名)のパッケージ外観

Fig.1は,「2(ツー)カラーせんせい」(商品名)という名前の知育玩具である.オリジナルの「せんせい」(商品名)は,1977年に(株)タカラ(当時)より発売されて「おえかきボード」の代表とされている(メーカー資料より).黒と赤の2色のペンを用いて黒と暗い赤紫色(赤色ではない)をスクリーン上に描き分けることができるおえかきボードである.パッケージ表面にはいろいろな説明が書き込まれていて,実物よりも様子が良く分かるので,写真を掲載した.(株)タカラトミーから発売されているこの商品は,2010年6月発売であるが,2011年の年末向けのおもちゃのカタログで,大変存在感を示していた.2色で描くことのできる「2カラーせんせい」は2006年8月の発売が最初であるが,細かい改良が加えられ現在に至っている.下のレバーを動かすと,描いたものが消されて元の白いスクリーンに戻るが,これにはスクリーン画面の上から下までの寸法の永久磁石が用いられている.描かれた黒または赤紫色の領域は,ペンで上書きすることで色を変えることができる.また四角,三角,丸のマグネットスタンプを板に押し付けると,黒と紫色のストライプに塗り分けられた絵を描くことができる.
繰り返し描くことのできる2色表示のスクリーンの原理は,一方を赤く塗った棒磁石のイメージで理解することができる.同種の極は反発し,NとSの異種の極は引き合う.おえかきボードでは,粘性の大きい白濁液体の中に磁性粒子を混ぜている.通常は黒一色の(丸い?)粒子を,一方は黒色,他方は赤色に塗ることでこのボードを作り出しているとのメーカーの説明である.2色に塗り分けられた磁性粒子の製法が,この器具を成立させる技術的なポイントと思われる.
著者:桑山哲郎 氏

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