他人になりすましてカードローンに申し込める?自分名義で借金されたら?

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本人確認が必要なカードローンで、他人になりすまして申し込むなんてことができるのでしょうか?

また、実際に自分名義で借金されたらどうすれば良いのでしょうか。

貸金業者もなりすましによる被害をなくすために対策を行っているのですが、残念なことに実際に被害にあっている人が大勢います。

なりすましの手口を知っていれば未然に防ぐこともできますし、万が一被害にあった時も素早く対処ができます。この機会になりすましについて詳しく知っておきましょう。


なりすましでお金を借りるってどういうこと?

そもそもなりすましとは、誰かがあなたのふりをして悪事を働くことを言います。

例えば、カードローンで勝手にお金を借りられてしまったとします。

契約をするときだけはカードローン会社とのやりとりがありますが、返済さえきちんと行っていればその後カードローン会社から連絡が来ることはありませんので、なかなか気がつくことができません。

実際、なりすましで勝手にお金を借りられていたのに数年間気がつかなかったという人もいます。

また、クレジットカードを勝手に使われてしまうこともありますし、近年急増しているのがスマホアプリのなりすまし購入です。

後を絶たないなりすましによるスマホアプリ被害

クレジットカードの支払い額を確認したら心当たりのない請求が行われていて、調べてもらったら行ったこともない国からスマホアプリを買われていたということは身近でもよく聞く話ではないでしょうか。

なりすまし犯は身近な人だった!

子供の名前で親がお金を借りていたとか、兄弟があなたの名義でカードローン契約をしていたなど、悲しいことに身内がなりすまして勝手に借金をしていたという事例もたくさんあります。

特に同居している場合、本人確認書類も手に入れやすいのでなりすましもやりやすいのでしょうね。

ちなみに、友達があなたの同意を得てあなたの名義でお金を借りることもなりすましになります。

これらは「名義貸し」と呼ばれている違法行為です。消費者金融は本人と契約してお金を貸しているので、いくら本人(あなた)の同意があったとしてもこれは契約違反でなりすましが行われたことになるんです。頼まれても断るようにしましょう!

なりすましでお金を借りるって本当に可能なの?

カードローンに申し込む時には必ず本人確認が行われます。ということは、なりすましの背景では、何らかの形で誰かがあなたの個人情報を手に入れているということになります。

なりすまし被害が多いのは家族

もっともなりすましが行われやすいのは、親子・兄弟・姉妹などの身内です。関係性が近いほど個人情報を把握していますし、運転免許証などの本人確認書類をスマホカメラで撮影したりコピーしようと思えば簡単にできてしまうことから、なりすましされやすいのは家族になってしまうんです。

貸金業者の本人確認はどうなってるの?

例えば消費者金融のプロミスの場合、本人確認書類として「運転免許証」を提出することになっているのですが、交付を受けていない場合は「パスポート」でも良いことになっています。

これらには顔写真が載っていますが、自動契約機や貸金業者の店頭窓口に行かなければ顔がバレることはありません。あなたがいないときに運転免許証をスマホカメラで撮影しておけば、いつでもなりすましてお金を借りることができるわけです。

また、運転免許証もパスポートもどちらも持っていない場合は、「健康保険証+住民票」が必要になります。

健康保険証は使うときには探しますが、必要なときじゃなければいつも置いている場所からなくなっていたとしてもなかなか気づかないのではないでしょうか。

住民票もマイナンバーカードがあれば本人じゃなくてもコンビニから発行できてしまうので簡単に取得できてしまいます。

これら顔写真が載っていない本人確認書類を使えば、自動契約機で契約をしてもなりすましを発見することは非常に困難でしょう。

国民生活センターに寄せられた「なりすまし」借金の事例

国民生活センターの公式サイトには、実際に第三者からなりすましが行われた事例が掲載されています。

ここでは「身に覚えのないカードローン」という事例をご紹介します。

内容は、借りた覚えのない貸金業者から「数年前から行なっている融資の返済が延滞しているので払って欲しい」と連絡がきたことで、なりすましが発覚したというものです。

相談者は以前に運転免許証などを紛失したことがあり、その際に悪用されてなりすましにあったのではないかと思い国民生活センターに相談したのですが、意外な事実が発覚します。

なりすましを行なったのは、相談者の知人だったのだそうです。

しかし、知人はなりすましを認めたものの、貸金業者が「運転免許証の写真と無人契約機の防犯カメラに映った顔が相談者と同じ」だとか「申込書に書かれた署名と抗弁書の署名が似てる」などと言って、相談者に対する請求を止めなかったり、警察が被害届を受理してくれなかったりと、解決までの道のりは非常に大変だっただろうと想像できます。

なりすましの借金被害の実態がよくわかる内容だと思いますので、ぜひ読んでみてください。

<参考>:国民生活センター 相談事例と解決結果「身に覚えのないカードローン」

自分名義になりすましで借金されたらどうすればいい?

自分の身にもいつ起こるかわからないなりすましですが、なりすましの借金被害にあったことがわかったらどうすればいいのでしょうか?

いちばん大切なことは、「自分には返済義務がない」という姿勢を貫くことです。

なりすましたのが親であっても親友であっても、自分自身が返済してしまうと自分が借りていることを認めることになりますし、自分の意思で払ったお金は取り戻すことが非常に難しくなります。

あなたが返済する必要は全くないので、「返済は一切せずになりすましであることを主張する」という行動が必要になります。

でも放置してはダメ!

身に覚えのない借金だからといって請求を放っておくのは絶対にダメです。

この時点では、債権者は「なりすまし」が行われていることは認めていないので、お金を借りているのはあなた本人ということになっています。

債権者の手元にはあなたが契約したことになっている契約書もあるはずなので、非常に面倒ですがまずは自分の借金ではないことだけは伝えなければいけません。

借金を返済してもダメ!

「家に取り立てがきそうで怖い・・・」とか、「これ以上自分名義でトラブルになるのは嫌だ!」と感じてしまうかもしれませんが、カードローン会社からの請求に応じてあなたが返済するのは絶対にやめておきましょう。

お金を返してしまうと、「やっぱりあなたが借りたから返したのでは?」と思われてしまい、本当は借りていないのにあなたが借りたと認めること(追認)になってしまいます。

なりすましが発覚したときの対策1:内容証明郵便であなたの債務ではないことを主張

まずは、お金を借りたのは自分ではないことを貸金業者にしっかり伝えなければあなた宛の催促が続くことになります。

電話で伝えても良いのですが、本気であることを形にするためにも内容証明郵便で送ることをオススメします。

あえて内容証明郵便を出すことで、お金を借りていないことをしっかり主張することができます。

このときに注意すべきことが、催促してきた業者が正規の業者であるかを確認することです。

カードローン会社は長期間延滞した場合に債権を保証会社に譲渡することがあります。

しかし、偽の保証会社・回収業者を装って「アコムから債権を譲渡されたからウチに払って欲しい」と請求してくるなりすまし犯罪も行われているんです。

もし債権を譲渡されたと主張する会社から督促状が来たとしても、まずは本来の貸主(この場合ならアコム)に問い合わせるべきです。

なりすましが発覚したときの対策2:相談窓口を頼ってみる

なりすましの犯人が身内かもしれないときは、知っている人には相談しにくいと思います。
そんなときは、先ほど例を挙げた国民生活センターなどに相談をしてみてください。
気持ちも落ち着くと思いますし、理解が早い人に相談することで迅速な解決方法が見つかります。

なりすまし被害の主な相談先

●国民相談センター
消費者ホットライン電話番号:188
国民相談センターの消費者ホットラインは、誰もがアクセスしやすい窓口として開かれた相談先です。消費生活全般に関する相談、苦情、問い合わせを受け付けていて、なりすまし問題の解決事例もあります。

<参考>:独立行政法人 国民生活センター 全国の消費生活センター等

●日本貸金業協会
貸金業相談・紛争解決センター電話番号:0570-051-051
消費者金融やクレジットカードキャッシング枠などの貸金業に関する相談やトラブルの相談を受け付けています。
また、多重債務で返済に困っている場合などの債務相談も受け付けています。

<参考>:日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センターについて

●警察相談ダイヤル#9110
電話番号:#9110
「#9110」は警察相談窓口になるのですが、人命救助や事件などの緊急対応が必要ない相談事案を受け付けています。
そのため、対応範囲は非常に幅広く「まだトラブルになってないけど不安がある」といった相談も未然防止のために受け付けています。

<参考>:警視庁 警察相談ダイヤル#9110

●弁護士ドットコム みんなの法律相談
弁護士ドットコム みんなの法律相談は、弁護士に無料でネット相談ができる掲示板です。
無料で弁護士が法律に基づいて回答してくれますし、これまでの相談事例も検索することができるので、過去のなりすまし対応例を確認することもできます。

<参考>:弁護士ドットコム みんなの法律相談

家族に自分名義で借金されてしまったら?

親や兄弟がやむを得ずあなた名義で勝手に借金をしてしまったという事例もあると思います。

明らかな身内の犯行の場合、警察に被害届を出すことも気がひけますし、信頼していた家族だからこそ非常に残念な気持ちでいっぱいになります。

なりすまし犯が家族の場合でも、もちろん自分の借金ではないことを主張することもできます。

しかし、事情によっては涙を飲んで自分の借金として払うことを決断するケースもあるかもしれませんね。

これまでの身内との関係性によっても対応が変わると思いますが、どちらにもメリット・デメリットがあります。

返済拒否する場合のメリット・デメリット

やはり、メリットは返済をしなくて良いところでしょう。いくら肉親が借りたお金とはいえ本来支払う必要がないお金なので、主張する権利はもちろんあります。

デメリットはいくつかありますが、まずは手続きが非常に面倒になることでしょう。

あなたは確かに被害者なのですが、催促がきた時点ではあなたは「債務を怠っている人」になるわけで、現時点での被害者は貸したお金を返してもらえない貸金業者になるんです。

しかも勝手にお金を借りたのが身内であれば、共謀を疑われる可能性も濃厚です。

また、家族との関係が壊れる可能性も非常に高いです。

貸金業者からすると「返済を免れるために、家族ぐるみで嘘を言ってるのでは?」と考えることもできるわけです。

貸金業者に自分の借金ではないことを主張する過程で、犯人である家族が有印私文書偽造罪などに該当してしまうことがあるかもしれません。

実際勝手に人の名義でお金を借りることは詐欺にあたるので、身内から犯罪者が出てしまう可能性もゼロではないことになるんです。

「勝手に借金する方が悪い。自業自得」と割り切れる人でないと、今後同じ屋根の下で生活するのは難しいでしょうね。

自分の借金として返済する場合のメリット・デメリット

メリットは家族との関係が一応壊れないことです。

しかし、後から考えたときに「本当にこれで良かったのか」と悩むこともありますし、信頼はすでに損なわれているので、関係性は簡単に悪くなるでしょう。

デメリットは2つあります。

ひとつは借りてもないお金を返さないといけないことそのものです。よほど心を強く持たないと、こんな状況を勝手に作って返済もしない肉親との関係性を平常に保つことはできないのではないでしょうか。

もうひとつは、あなたの信用情報が非常に悪くなることです。

貸金業者はあなたの借金として契約しているので、信用情報機関にも当然あなたの借金として記録されています。延滞があれば延滞記録も登録されていることになります。

延滞の記録は、延滞が解消されてから1年〜5年間残ってしまうので、この間は非常にマイナスの状態となってしまいます。

住宅ローンなどあなたが本当に必要なローンを組むときに悪影響を与えることは間違いありません。

家族が勝手に借りたお金を自分名義じゃないと主張するためには?

勝手に借りた相手が誰であれ、自分の借金じゃないならそこはきちんと線引きをすべきではないでしょうか。

借主があなたではないことを貸金業者にもきちんと認めてもらい、信用情報も書き直してもらわないと将来に影響してくることになります。

もし経済的に余裕があるなら返済そのものは後から手伝うことができるので、まずは本当の借主に債務を移してもらう手続きが必要でしょう。

非常に不本意かもしれませんが、家族が勝手に作ったあなた名義の借金を「自分の借金ではない」と本気で主張するためには、やはり国民生活センターなどの第三者に介入してもらった方がスムーズに進むかもしれませんね。

「まずはご家族でよく話し合って・・・」などと言われる可能性もありますが、話し合っても埒が明かなかったことを伝えて解決策を相談すると良いでしょう。

貸金業者からは「延滞金が溜まっているので、ご家族のためにもいくらか返済されてはいかがでしょうか」などと言われることがあるかもしれません。

しかし、あなた本人が支払いを行うと、返済の意思があることを認める「追認」という行為に該当してしまう恐れがあります。今後もあなた宛に催促がくることになるので払ってはいけません。

注意!自分の借金ではないと認めてもらえないこともある

本当にお金を借りていないのに、あなたの借金ではないと認めてもらえないケースもあります。

本人確認書類の保管が甘い

運転免許証などを家族の手が届くところに保管していると「なりすましに協力した」と判断されてしまい、本当に身に覚えがなくても共犯と思われてしまうことがあるんです。

本人確認書類となってしまう運転免許証、パスポート、マイナンバーカードや実印などの大切なものは、自分にしかわからないところに保管するようにしましょう。

カード類を実際に貸した場合

ローンカード、クレジットカードなどを自分から貸して、勝手にお金を借りられた場合は、あなたに返済義務があります。

例えば、友達が「必ず自分で返すから!」と言ってあなたのローンカードで借りたお金を踏み倒したとしても、あなたが返済しなければいけません。

あなたが身内にクレジットカードを貸したときに、知らない間にキャッシング機能でお金を引き出されてしまったとしても、あなたに返済義務があるんです。

こういったカード類は本人以外の人が使うことを禁止されていますので、あなたも不正利用を行なったことになってしまいます。

なりすまし借金被害を防ぐ方法は?

カードローン業者も、なりすまし被害を未然に防げるように様々な対策を行なっています。

ネットで申し込みも契約もできるWEB完結でも本人確認書類の提出は必須ですし、無人契約機でも運転免許証の顔写真と来店者本人の顔の確認をカメラで行っています。

そのためカードローンに限っては、本人確認書類さえ自分でしっかり保管をしていればなりすましてお金を借りることはできません。

なりすまし被害を防ぐためには、まず身分証明書となるものをしっかり保管することです。家に置いておくのであれば鍵のかかる引き出しなどに入れておきましょう。

キャッシュカード、ローンカードなどのカード類は、親友や彼氏・彼女であっても絶対に貸さないことも大切なことです。

また、最近はPayPayなどを使えば非常に簡単にスマホひとつで決済ができてしまいます。

こういったスマホ決済サービスもいざ引き落としがかからないとなりすましにあったことに気がついきにくいので、スマホにはロックをかけておくこと、置きっ放しにしないことも大切ですね。


   

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